司書のおすすめツール――夏休みおうえん特集 自由研究のノウハウ②
レファレンス(調べもの)担当の私がレファレンスで頻繁に利用しているツールを2つ紹介します。どちらも自由研究や調べ学習に役に立つと思います。さらにどちらも読み物としても面白いという共通点があります。
レファレンス担当の仕事については、別の記事も書いておりますので、そちらもあわせてごらんください。
レファレンス協同データベース
はじめに紹介する「レファレンス協同データベース」は申込不要で無料で利用できますのでおうち時間にぜひ一度ご覧になってみてください。
「レファレンス協同データベース」は国立国会図書館により運営されているデータベースで、全国の公共図書館、大学図書館、専門図書館等が協同で情報探索に役立つような情報、図書館員のレファレンス業務に役立つような情報を登録しています。
レファレンス協同データベースに登録されている事例は専門性の高いものだけではありません。例えば「おいしいカニの見分け方」などのユニークな事例も多く、読み物としても楽しむことができます。単なる回答のみならず、そこに至る過程や、調査に使用した本のタイトルなどの情報が詳細に記載されています。自由研究のテーマが決まらずに悩んでいる時に読めば、何かヒントがつかめるかもしれません。
『理科年表』
図書館の本からも一冊紹介したいと思います。館内閲覧専用のため貸出はできませんが、自然科学の英知の結晶とも言える本です。皆様の学習やお仕事、研究にお役立てください。私も自然科学関連の調べ物をするときにまず手に取る一冊です。
『理科年表』は【暦部】、【天文部】、【気象部】、【物理/化学部】、【地学部】、【生物部】、【環境部】の7項目について、さまざまなデータや解説が掲載されています。例えば【気象部】より「各年の月平均気温」という表を見てみます。この表には日本各地の月平均気温が1980年から2019年までまとめられています。東京の2月の月平均気温を1980年と2019年で比較すると1980年は5.2℃、2019年は7.2℃と2℃も高くなっていることが分かります。数字から地球温暖化を実感できますね。
この他にも紹介したいデータがまだまだたくさんあります。またトピックスとして、その年の話題や最新の研究成果が紹介されており読み応えもあります。『理科年表 第94冊』には観測技術の進歩により天体までの距離がより正確に測定できるようになったことや、新型コロナウィルを含む感染症との向き合い方などが書かれています。附録には歴代のノーベル賞受賞者の一覧と、その受賞利用がまとめられています。
さらに、理科年表オフィシャルサイトもあり、こちらでも解説が載っていますので楽しく学ぶことができます。
なお、稲城市立図書館ホームページでは、調べものにも役立つリンク集やよく聞かれる調べものを回答事例集としてご用意しております。どうぞご利用ください↓
その他、この機会では紹介できなかったレファレンスツールが図書館にはまだたくさんあります。図書館カウンターだけでなく、メールやお電話でもレファレンスの受付をしています。お困りの際はご一報ください。