未来へつながるイベント!小川こころ氏講義+文章ワーク「文章が変われば世界が変わる!相手を本気にさせる文章教室」 ――中央図書館開館15周年企画⑧
稲城市立中央図書館開館15周年企画「イベント班」の最後の取り組み、
2022年3月21日(月)開催のYA向けイベント「文章が変われば世界が変わる! 相手を本気にさせる文章教室」の様子をお伝えします。
これまで企画したイベント、そして
私たちイベント班は、コロナ禍でも利用者の皆様に参加していただける企画を!と考えてイベントを開催してきました。
・募集&展示企画「教えてください!私のいち推し」
・オンラインイベント「あなたの推し本教えてください! ~ビブリオバトル~」
そんな活動のトリを飾るのはYA向けイベント。
(YA=ヤングアダルト、つまり児童(こども)と一般(大人)のあいだである中高生世代のことをそう呼んでいます)
“YA向けであれば、楽しみつつも学びのあるイベントにしたい!”
そう考えた私たちは、昨年『ゼロから始める文章教室 読み手に伝わる、気持ちを動かす!』(ナツメ社)を出版された小川こころ先生にお声をおかけしました。
小川先生はライター・文筆家であるとともに、数多くの文章教室を開催していらっしゃいます。
「受験や就活を控えているYA世代をメインターゲットに、自分の魅力を伝える文章の書き方を教えていただけませんか?」とご依頼しました。
ありがたいことに早々に快いお返事をいただき、素敵な企画が決定しました。
「文章が変われば世界が変わる! 相手を本気にさせる文章教室」
図書館スタッフの間でも参加したいとの声がたくさんあがり、わくわくしながら当日を迎えました。
開場30分前に満席!?
担当スタッフで会場の設営をし、さぁ開場時間の午後1時になろうかという時、「もう入れますか?」と参加者の方がいらっしゃいました。
開始時間まで30分もあるにもかかわらず、その後も立て続けに参加者の方々がいらっしゃいます。そして前方の席から埋まっていきます。
皆さんのやる気と期待が見えるようでした。
まもなくいらっしゃった小川先生は、なんとイベントの助手としてお嬢様を連れてきてくださいました。
私たちスタッフはお言葉に甘えて、大変嬉しいことに、存分に講座とワークに没頭させていただきました!
開始時間を迎え、なぜ今のお仕事に辿りついたのかという先生の自己紹介からイベントは幕を開けました。
「相手を本気にさせる文章とはなにか?」
そして次のテーマは「相手を本気にさせる文章とはなにか?」
簡単にまとめると、読み手に「この文章は自分に関係がある・読むとメリットがある」と思わせて、最後まで読んでもらえる文章のこと。
誰でも発信できる昨今は「読み手優位の時代」。その中でも埋もれない文章を書ける人が求められています。
そんな文章を書くためには、自分のことをよく知っていなければなりません。
さぁここからワークが始まります。
好きなキャラクターをきっかけに自分の「キャラクター分析」をしてみたり、読み手を意識して「見出し」を考えてみたり。
そして文章構成の基本「PREP法」を学び、説得力のある文章の書き方を学んでいきます。
「浦島太郎」
皆さんにたくさん発表してもらいながらワークは進みます。
先生は「全員に発表の機会を作れるように」と意識されていました。
最初はマイクを向けられることに緊張されている方もいましたが、マイクが一回りする頃には、皆さん楽しそうに自身の文章・作品を発表し、他の方の発表を興味深げに聞いていらっしゃいました。
どの作品も個性的でおもしろく、魅力的。
たとえば「PREP法を使って昔話についてコラムを書こう」というワークでは、「浦島太郎」をテーマに選んだ3人の方はそれぞれ次のような意見を発表されました。
同じ昔話をテーマにしても視点がそれぞれ違うため、全然違うコラムが生まれてきました。
どのような展開でこれらの主張がなされたのか気になりますよね?
これを読んでいるあなたもぜひ、自分なら浦島太郎の物語から何を主張したいか考えてみてください。
「小学生になったつもりで、親に向けてお小遣いアップの依頼文を書く」
最後のワークは「小学生になったつもりで、親に向けてお小遣いアップの依頼文を書く」というものでした。
こちらはなんと参加者全員に発表していただきました。
全員分聞いてもやっぱりそれぞれに味があり、不思議と同じ文章にはならない!おもしろい!
欲しいものや必要なものを具体的に述べる人。お小遣いアップ時の親のメリットを提示する人。将来の展望を語る人。クラスメイトのお小遣いを調査した人。親の子ども時代と現代の差を主張する人、などなど。
お小遣いをもらう立場の学生さんも、お子さんやお孫さんにお小遣いをあげている世代の方も、小学生になりきって説得してもらったところで、イベントは終了となりました。
エッセイとコラムの違いに衝撃を受けた
参加者の方々からは「文章を書くことが楽しくなりそう」「説明がわかりやすい」「充実した時間だった」「他の参加者さんが書いた文章をたくさん聞けてよかった」などの感想をいただきました。
満足していただけたようで嬉しい限りです。
小川こころ先生、そして助手のお嬢様、ありがとうございました!
図書館スタッフからは、「エッセイとコラムの違いに衝撃を受けた」との感想が。
稲城市立図書館のHPには「スタッフコラム」のページがあります。
エッセイとコラムの違いについてのお話を聞いて、今まで私たちが書いていたものはコラムと言うよりエッセイなのでは…とスタッフ間で話題になりました。よろしければエッセイ風「スタッフコラム」ものぞいてみてくださいませ。
イベント終了後には先生から、参加者皆さんの視点や発想のおもしろさ、ことばの選び方などをお褒めいただき、「日ごろから図書館を利用されている皆様だからこそ、このような文章が生まれるのですね」と大変嬉しいお言葉をいただきました。
「相手を本気にさせる文章」が書けるようになれば、小論文やレポート、企画書などあらゆる文章の説得力が増します。どのような立場の方でも身につけておいて損はありません。
そのスキルに「本を読む」「図書館を利用する」ことが役に立つのであれば、今回このイベントを図書館で開催したことの意味が大いにあると思いました。
もっと詳しく講座の内容が知りたい!という方は、小川こころ先生の『ゼロから始める文章教室 読み手に伝わる、気持ちを動かす!』(ナツメ社)をぜひ!中央図書館に所蔵しています。
イベント班としての活動はこれにて終了しますが、今後も中央図書館として利用者の皆さんに喜んでいただけるイベントを開催していきたいと思います。
(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)