司書が司書に取材した③ デモ・ビブリオバトルの裏側:バトラーに聞きました。――中央図書館開館15周年企画の裏側
この記事をご覧下さっている読者の方は、ビブリオバトルに参加したことはあるでしょうか?「興味があるからもっと知りたい!」と思っているところでしょうか。
稲城市立中央図書館15周年記念事業・イベント班の活動の一つに、ビブリオバトル(2021年8月22日開催)がありますが、関連する展示企画やデモ・ビブリオバトルの記事があります。
そこには、ビブリオバトルの基本的なこと、Zoom利用で自宅から参加している様子、実際の“バトル本”の紹介などが詳しく載っています。その中に印象的な文章がありました。
中央図書館でも毎年ビブリオバトルを行っており、今回で7回目になります。前回からZoomを利用する事で館外からの参加も試みました。すると他県からの嬉しい参加もあり、オンラインによる繋がりの広さや面白さ、場所にとらわれない可能性に気付くことが出来ました。
ビブリオバトルは本を共通項として初対面の人とも共感(趣味や興味が同じだとすぐに仲良くなれるあの感覚!)したり、体験してこそ実感できるワクワクが詰まったイベントなのです。
などと書きながら。筆者はビブリオバトルを未体験。遠巻きに見学したことしかありません。幸いデモ・ビブリオバトルが開催されたばかりなので同僚にバトラーがたくさんいます。準備、不安、楽しさ、緊張…気になるポイントを早速インタビューしました。
1.ビブリオバトルのイメージは?参加する前に気なることはありましたか?
・本の魅力を上手に言えないと(アピール力が無いと)参加できないと思っていました。
・本に関しての知識が広くないと時間が余ってしまうのではないかと不安でした。
・本の全般に詳しい猛者が参加していそうなイメージがありました。
・難しい質問が来たらどうしよう?と心配になりました。
・言いたいことを5分でまとめるのは難しいかなと思っていました。
→豊富な知識や経験、スピーチ力が求められるイメージがあり、参加するにはネガティブなイメージが多いようです。
2.準備のこと
・本番前までに何度も読み返し、本の魅力を発掘しました。
・読み込みが足りないと支離滅裂になってしまうのではないかと心配もありました。
・面白いと感じる部分を言葉にして表現する難しさと戦いました。
・原稿なしでスピーチするので、言葉に詰まったらどうしようかとドキドキしました。
・(3回ほど参加した事があるのですが)初めてのころは家で練習しました。
・選んだ本についての書評も読みました。すると、多面的なとらえ方が出来て面白かったです。(本番では自分の感想ばかりにはなりましたが。)
・選んだ本は自分が小さいころに読んだ本だったので、読み返すことで「あ~、そうだったな~」「この場面が好きだったな~」と思い出しました。読み返す作業が楽しくもあり、新たな発見もありました。
→丁寧に本と向き合ったり掘り下げる時間は意外と無いもの。子どもの頃や学生気分に戻れそうですね。
3.ビブリオバトル本番のこと、参加後の感想
・自分の言いたいことを詰め込んだら意外と時間が足りなくなりました。
・用意していたことを全部言い切れず、「これだけは言っておこう!」と焦ってしまいました。
・Zoom利用でも想いがきちんと伝わった手ごたえがありました。
・皆さんから質問してもらったり感想を言ってもらえるので達成感がありました。
・初めて参加する方でも、難しさや厳しさがあるイベントではないと思います。
・好きなものを「好きだ!」と主張する人を見るのは潔い楽しさがあります。
・「ここが好き」「あそこが面白い」というプラスの要素を聞くのは心地よかったです。
・紹介本を「読みたくなった!」という感想がとてもうれしかったです。
・チャンプになれなかった時、著者の方にごめんなさい…という気持ちになりました。
・自分の興味のなかった分野を知ることが出来ました。新しいジャンルに手を伸ばすきっかけにもなりました。
→本番前はネガティブだったバトラーですが、本番での充実感や手応えがあふれる言葉ばかりです。
4.参加を検討中の方、興味がわいている方へのメッセージ
・やってみると参加のハードルは低くて、終わると達成感もあります。5分ぴったりで終わるとなおさらです。ぜひ体験してみて下さい。
・経験値は問題になりません。好きな本があるだけで参加ができます。
・好きな本の良さは自分が感じていることの中にあるので、どんどん熱を持って語ってよいのだな、と思います。
・本を介してのコミュニケーションはとても心地よいものでした。
・ビブリオバトルは「読みたいと思わせてくれた本に投票」するものなので、発表の上手下手は関係ありません。好きなものを好きだと伝える“熱”だけあれば大丈夫!
→その他、YA(ヤングアダルト)担当もしているスタッフは「YA世代にも来てほしいな♪」との呟きも。
人生100年時代です。新たなチャレンジを見つけられるチャンス⁉ビブリオバトルには舞台の数だけ違う面白さがあります。
今回、稲城市立中央図書館で開かれるビブリオバトルは、観覧のみ(Zoom利用)の追加募集をすることになりました。全国どこからでもLive体験できる機会です。ぜひお問い合わせください↓
(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)