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司書が司書に取材した⑩ 図書館で運試し!~貸出促進班の集大成「おみくじ展示」――中央図書館開館15周年企画の裏側

2021年7月1日の中央図書館開館15周年を記念した企画も終盤戦です。
開始当初は「何が始まるの?」「記念企画ってどういうもの?」「通常業務のかたわらに出来るのかな、心配。」「時間が足りない予感…」といった声が聞かれたように思いました。

いつしか中の人からは、「15周年の次の企画はね~」「貸出促進班の次の展示は何?」「忙しそうだね、手伝うよ」…イベント開催や展示企画、ノベルティ品の配布、SNS発信などを通して、15周年企画ありきの図書館業務を前向きに捉えている雰囲気がただよっていました。

そんな2021年、年末。恒例の資料“借り放題”の最中、通常は一般向けの特集展示に使われている棚で、大人も子供も楽しめる展示が始まりました。「おみくじ展示」です。

展示の本は縁起物や干支などお正月を意識した品揃え。そこに神社さながらのおみくじを付けました。おみくじの内容も大人向け、子供向けをそれぞれ用意しました。大吉・中吉・吉・末吉・凶の5種類。大吉と凶を引いた方には、それぞれひばりマーク入りの図書館オリジナル鉛筆がプレゼントされるという企画です。

今回、特に力を注いだのは、なんといっても“リアリティ”。神社でいただく「おみくじ」。それを最大限に再現!見た目はもちろんのこと、中身も。

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おみくじの上部には和歌のような記載がありますよね、そこには稲城市ならではの「稲城かるた」の読み札を引用しました。(「稲城かるた」は市内の名所旧跡、歴史に名を残す人物や特産物が登場する地域かるたです。図書館でも借りられます。)下部には、ラッキーカラーなどを載せ、楽しさも追加。文字のフォントもそれっぽく大人向けは行書体、子供向けは少し読みやすく教科書体に。リアルな「おみくじ」楽しんでいただけたでしょうか。

担当者の工夫は他にも。
準備を始めた丁度その少し後、“新春福袋”(こちらも図書館の恒例イベントです。)の準備も始まります。題材も似たようなテーマになるので資料が集めにくくなってしまいます。そこで福袋が始まる前に少しでも多く資料を集め、確保する必要があったそうです。スタッフの間でこんな熾烈な競争があったなんて!それでも何とかお正月関連のキーワードを絞り出し、数多く集める日々。そもそも本来の担当業務もある中で、先の展示を見越した準備の素早さはさすが貸出促進班

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そしていよいよ展示開始。年末の借り放題の最中に始まったので年内は何冊でも借りられます。中には「大吉が当たるまで頑張る!」というお子さんも。頑張っても頑張ってもなかなか出ず、ご家族に促されてその日はあきらめて帰って行かれました。そして盛り上がりを見せたのはやはり年が明けた新春。大吉が出ると皆さんとても喜んでくださいました。意外や大人の方のほうが!サプライズの楽しさに年齢の垣根なし
さらに期間中は図書館に来たらおみくじを引く…というのが恒例になっていたご家族もいらっしゃり、「楽しい展示をいつもありがとう。」など、嬉しい声をたくさんいただきました。

ご利用は途切れることが無く、展示の資料が返却されては再度出し、徐々にお正月っぽいものは下げ、時に内容を変えるなどを繰り返しました。最終的に展示冊数は100冊どころか200冊を超えました。ご来館の皆さまにも楽しんでいただけたのではないでしょうか。

来年もあると良いなあと思うのは筆者だけではなさそうです。

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(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)

稲城市立中央図書館 開館15周年記念事業
稲城市立中央図書館は2021年7月1日に開館15周年を迎えました。
これを記念に、さまざまな企画を開催しています。
図書館ホームページでは、特設ページをご用意し、15周年記念事業について随時お知らせしております。