司書が司書に取材した⑧ 覆面展示:展示なのに本を隠しちゃう⁉ ――中央図書館開館15周年企画の裏側
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司書が司書に取材した⑧ 覆面展示:展示なのに本を隠しちゃう⁉ ――中央図書館開館15周年企画の裏側

稲城市立図書館note【公式】

2021年7月1日の中央図書館開館15周年を記念した企画も終盤戦です。
開始当初は「何が始まるの?」「記念企画ってどういうもの?」「通常業務のかたわらに出来るのかな、心配。」「時間が足りない予感…」といった声が聞かれたように思いました。

そしてすでに年は明けましたが、今でも聞かれる声は。
「15周年の次の企画はね~」「貸出促進班の次の展示は何?」「忙しそうだね、手伝うよ」…イベント開催や展示企画、ノベルティ品の配布、SNS発信などを通して、15周年企画ありきの図書館業務を前向きに捉えている雰囲気がただよっています。

今回プレス班から送るレポートは、“図書館で可能な企画の限界”を見た数々です!プレス班スタッフがそれぞれを取材しました。

図書館でヨーヨー :図書館で夏祭り⁉
〇覆面展示 :展示なのに本を隠しちゃう⁉ 
〇輪投げ :図書館初⁉…人生で初輪投げのお子さんも続出!

今回は第二弾をお送りします。

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「予期せぬ本との出会いを楽しんでいただきたい。」

貸出促進班による“覆面展示”が昨年10月の終わりから実施されました。スタッフが選んだ本を英字新聞(図書館で提供していた新聞のリサイクルです。)でラッピングし、ヒントとして作中の一文を書き出したものが貼られています。タイトルや著者名は分からないので、どんな本が入っているのかは開いてみてのお楽しみです。

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2021年は稲城市制50周年(11月1日)でもあります。今回はその“50”にちなんで、展示資料を50冊(大人向け25冊・子ども向け25冊)用意しました。児童向けと一般向けの本を同じ場所に展示することは珍しく、中が見えないことによる混乱を避けるために、お子さん向けの包みにはランドセルを背負ったピクトグラムを目印にしました。ピクトグラムも今、旬ですね。

始まって1週間で残り7冊となり、2週間ほどで全て貸出されました。たった一文を手掛かりに本を選ぶこの企画。遊び心が伝わったこともうれしい反響でした。また、展示の背景やラッピングの赤と黒の斬新さも目を引きました。普段の館内にはないしつらえに、ご利用の方もスタッフも目を奪われました。

中央図書館の司書全員が選んだ一冊は何?…見えないけど。

今回の展示に先駆けて、昨年8月末に貸出促進班から図書館スタッフに「秋に覆面展示を行うので1人1冊選んで、表示したい一文を抽出して下さい。」という依頼がありました。どの一冊にしようかと、スタッフとしては腕が鳴るところ。プレス班としても展示のスタートが楽しみでした。何しろ“展示の達人”の貸出促進班が動くのです。

覆面展示リスト

覆面展示が始まって少しした頃、本を選んだスタッフに取材しました。
「いつもあれこれ悩んで時間がかかってしまうのですが、今回は最初から1冊の本のことしか考えられませんでした。というのも、冒頭のセリフがずっと忘れられなかったからです。娘が幼いころに大好きで何度も繰り返し読み聞かせていた本です。利用者の方にも喜んでもらえたら嬉しいです。」
「私の選んだ本はもう借りていただいたようです。どのようなお気持ちで選んだのかな、おもしろく読んでいただいているかなと、喜びと不安が入り混じった思いですが選んで貰えたことは素直にうれしいです。」

「自分が住んでいる市にお住まいだった作家(故人)がお書きになった本を選びました。細やかで温かな視点、そして私の生活にも身近な多摩丘陵の日常が書かれていて、大好きな一冊です。登場人物が知っている風景の中にいるせいで、描写が生き生きと脳裏に思い浮かぶのです。借りてくださった方にも身近な風景を楽しんでもらえたら良いなあ。」

魅せる貸出促進班の技の裏側

貸出促進班のスタッフにも準備秘話を取材しました。
本が並んでいる赤い布はレッドカーペットを意識しているそうです。ラッピングや一文が記された用紙の白黒のシンプルさが、赤い布の上で映えていました。

また、抽出した一文に間違いはないか、念には念を入れて3回ずつ確認したそうです。著書への敬意を感じるこのひと手間に司書としての意地や意気を感じました。

図書館スタッフが準備した本を“覆面”に準備する作業は大変な労力だったと想像されますが、作業しながら目にする一文が心に響く言葉だったり、おもしろい響きの言葉だったり。本の推薦者の個性が出ていて興味深かったそうです。私もスタッフが選んだ本と一文のリストを見せてもらいましたが、気になる本が何冊も…。「あっ、あの本だ。」と分かるものもあれば、想像がつかないものもありました。こんな切り口での本の楽しみ方もあるのですね!

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展示をご覧の利用者の方の反響もさまざま。
「面白いわね」「どれも読みたいわ!」「ラッピングが素敵ですね。」等など、お褒めの言葉をたくさんいただきました。わざわざお手紙をくださった方も。「……数十年ぶり?に読んだので、新しい発見もあって感動しました。……この本を勧めて下さってありがとうございました。」と記されてました。

借りる人、準備する人、支える人の心の琴線に触れたこの企画、大成功でした。

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(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)

稲城市立中央図書館 開館15周年記念事業
稲城市立中央図書館は2021年7月1日に開館15周年を迎えました。
これを記念に、さまざまな企画を開催しています。
図書館ホームページでは、特設ページをご用意し、15周年記念事業について随時お知らせしております。

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