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司書が司書に取材した⑪ 図書館でノベルティを作ってみた!~ノベルティ班が作ったのは「皆の笑顔」――中央図書館開館15周年企画の裏側

2021年度の開館15周年記念事業の中には、図書館をご利用してくださった方々にお礼の気持ちを伝えたい、祝福感を一緒に感じていただきたい、という願いもありました。図書館全体や関わるスタッフの気持ちを背負ってスタートしたのがノベルティ班です。

ノベルティ班は総勢8名、ショートタイムで働くスタッフが多かったので、なかなか全員で会う機会がありませんでした。開発の道のりは?…プレス班が取材しました!

品物選び

まずは品物選び。各自、勤務中のすみっこ時間を使って、ECサイトで探しました。本体が安くても印刷代が高いなど、候補を絞り込む作業は大変でした。一番こだわったのは、シニア層からお子さんまでさまざまな方に喜んで使っていただける点です。シンプルなデザインで長く使っていただけるもの、しまわれずに日常的に使えるもの、というスタッフの思い。最終的に、ステンレスボトル、トートバッグ、マルチケース、鉛筆に決まりました。

デザイン案(トートバッグ)
デザイン案(マルチケース)
デザイン案(ステンレスボトル)
デザイン案(ひばりマーク入り鉛筆)

ロゴにもこだわりがいっぱい詰まっています。ノベルティ班スタッフの勤務時間の都合上、揃って検討する機会が無い日々。デザインのアイデアを共通のフォルダに持ち寄りました。開館10周年記念でも使用した、愛着のあるひばりマークをアレンジすることになりました。

図書館名は、持ち歩いているときに一目見て図書館で配布されたことが分かるように漢字で。フォントにも工夫が。スタッフの感覚に刺さるものをあちこち探しました。デザイン性があって新鮮なフォントになりました。嬉しい副産物も。かわいくて楽しいイラストを一人の児童スタッフが作成してくれました。こちらは「ひばりカード」の裏に利用されています。スタッフの知らなかった一面、才能を発見。今後の図書館活動の中でも出番があることを期待!

シフト勤務の中で…

ノベルティ班はメンバーが多く、意思疎通が難しかったそうです。勤務日や時間帯がすれ違う中、個々に作業する日々。共通フォルダで情報共有したり、常勤スタッフのリーダーに意見を伝えたり。繋がりを工夫しながら目的に向かったそうです。唯一全員が同時に揃うのは月1回の休館日、全体会議のある日。それはもう楽しかったそうです。

また、ノベルティ品の発注に際してはそれぞれの個数決定に苦労したそうです。貸出冊数に応じて配られたのですが、足りなくなっても余り過ぎても困るからです。15周年記念イベントの賞品として使われる予定もありました。それぞれの個数を見積もる作業…司書課程では習ってません…!

限られた時間でのデザインミーティング!

納品、そして皆様の元へ

紆余曲折がありながら、とうとう納品される日がやってきました。届いた大きな段ボールの箱をあけると中からは、スタッフの思いのこもった品々が出てきました。利用者の皆さんに手に取ってもらう場面が想像されて大変ワクワクしたそうです。6月末の休館日は、品物の小分けや梱包を黙々と進めました。皆さんの笑顔が浮かんで、地道な作業も苦にならなかったそうです。

実際はこの数十倍の量を小分けしました!

ノベルティ班の気遣いはスタッフにも向けられました。マスクにひばりマークをアイロンプリントして、15周年の7月に付けられるように配ってくれたのです。お揃いって嬉しい。製作は休館日のわずかな時間に進められました。プリントする要領を得るまでは苦労したそうですが、洋裁がプロはだしのスタッフに引っ張られて波に乗るとあっという間。(6月の休館日は他の班も15周年企画の準備作業に追われていて、文化祭前の学校のような雰囲気でした!)7月にはお揃いのマスクで利用者の皆さんをお迎えしましたが、いかがだったでしょうか?

恐ろしいほど鮮やかな連係プレー

ノベルティの品々は7月1日以降、利用者の皆さんの元に旅立っていきました。貸出冊数が3000冊以上の人にステンレスボトル、1500冊以上の人にコットンバッグ、400冊以上の人にマルチケース、100冊以上の方に鉛筆をプレゼントさせていただきました。その後、トートバックに本を詰めて図書館にいらっしゃる方を見かけるのは嬉しい瞬間。余談になりますが、お渡しする際、に「〇〇冊ご利用されているので△△をお持ちください♪」となるのですが、「〇〇冊も借りてたの⁉」と驚かれる方もたくさん。マスク越しに会話が弾みました。

体験型イベント三部作への昇華

ノベルティ班はその後、「輪投げに挑戦しよう!」「ゴム鉄砲に挑戦しよう!」「けん玉に挑戦しよう!」という、お子様を対象にした体験型イベントを数々企画。アイデアがあふれて開催しているうちに年度を超えるほど!参加賞にひばりマーク入りの鉛筆が配られました。「もう4本目!」なんて嬉しい声も聞こえました。参加者数はそれぞれ200名ほども。どの場面でも笑顔があふれました。コロナ禍で児童向けのお話し会やイベントが激減したこの数年。一生懸命に挑戦する様子を見守るスタッフもことさら笑顔になりました。

ノベルティ品の開発だけに終わらなかったノベルティ班。こうして振り返ると、“倍返し”は貸出促進班だけではなかったな、と感じました。

(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)

稲城市立中央図書館 開館15周年記念事業
稲城市立中央図書館は2021年7月1日に開館15周年を迎えました。
これを記念に、さまざまな企画を開催しました。
図書館ホームページでは、特設ページをご用意し、15周年記念事業について随時お知らせしております。