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司書が司書に取材した⑤ “推し”てみたら繋がった思い――中央図書館開館15周年企画の裏側

秋。図書館でも長時間滞在をご遠慮いただく状況が続いていますが、ご来館いただいた際に見逃せない展示の一つが “教えてください!「私のイチ推し」” です。

この展示は過日行われた“ビブリオバトル”(稲城市立中央図書館15周年記念イベント「あなたの推し本教えてください! ~ビブリオバトル~」)とリンクしています。中央図書館15周年事業イベント班スタッフにより「ご利用の方々が安心、安全に参加でき、15周年を迎える図書館との関わりが形になるように」と考えられた企画です。

図書館の展示スペースにずらりと貼り出された“推し本”の投票用紙。推し本の実物も並んでいます。投票用紙は直筆のものや、オンライン投票によりスタッフが代筆したもの等さまざまですが、カラフルなペンで書かれていたり、イラストが添えてあったり。運動会の万国旗のようであり絵の展覧会のようにも見えて壮観です。

実は私個人の感想としては、予想外の展開でした。なにしろこの状況下。投票数は伸びるのかな?と思っていました。集まった投票用紙は直筆のものが60余枚、オンライン投票が20余枚! 「こんな人にオススメ」というコメント欄もあるので、推し手の気持ちがダイレクトに感じられます。例えば…

・たのしいのがすきなひとにおすすめ(お子様)
・ちょこれーとがすきなひとにおすすめです(お子様)
・雑談力をつけたい方に。
・胸をあつくしたいビジネスマンへ!
・人生をゆっくりと見直したい人に。
・本が好き、お散歩が好き、いつもと違ったお散歩がしたい人に。
・ちょっとこわい…でも読んでしまう。ドキドキしたいあなたへ。
・明るいパワーや癒しがほしい人にオススメ‼

ビブリオバトルも同様でしたが、次々と好きな本をお勧めされる心地よさ!推す人とそれを受け取る人との静かな対話。

ある日スタッフが見かけたのは、小さな声で会話をしながら1枚ずつ読んでいる親子。またある日は、ゆっくり味わうように端から読み進めている大人の方。いずれも企画冥利に尽きる風景です。

イベント班のスタッフの声も取材しました。

・図書館では、長時間滞在の避ける手立てとしても展示スペースを増やしていますが、展示を順に巡る利用者の方も見かけられてうれしいです。
・読んだことのないジャンルとの出会いが求められているのだと感じました。
・オンライン投票もあり、気軽に参加できるのは良い試みでした。
・今回の投票は“本”が多かった(投票の対象は図書館にある全資料)ので、“AV(視聴覚)資料”に絞った投票もぜひ行いたいです。
・一般書と児童書を同時に並べる展示企画は珍しく、今回ならではの内容になりました。
・本との新たな出会いや借りるきっかけになったらうれしいです。
・図書館を訪れる方は、新たな出会いや興味を広げるきっかけを求めていらっしゃると感じ、応えられる企画に今後も取り組んでみたいです。

イベント班が15周年記念企画で掲げたモットーは “繋がる”。 繋がりづらい状況でどう繋がるのか? 「私のイチ推し」展示をご覧いただき、ぜひ”繋がって”いただけたら嬉しいです。

(稲城市立中央図書館開館15周年記念事業 プレス班)

稲城市立中央図書館 開館15周年記念事業
稲城市立中央図書館は2021(令和3)年7月1日に開館15周年を迎えました。
これを記念に、さまざまな企画を開催していきます。
図書館ホームページでは、特設ページをご用意し、15周年記念事業について随時お知らせしております。

 

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